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世田谷区長の保坂展人さんインタビュー

マガ9に保坂さんのインタビューが載っていたので転載してみます。


2014年1月22日up
保坂展人(ほさか のぶと) 東京都世田谷区長。1955年宮城県生まれ。1980年代から90年代にかけてジャーナリストとして活躍し、1996年に衆議院議員初当選。2009年までに3期11年を務める。その後、総務省顧問をへて現職。
2011年4月、自治体からのエネルギー転換を公約に掲げ、国会議員から世田谷区長に転身した保坂展人さん。1月23日告示、2月9日投開票の東京都知事選を前に、区長就任後から脱東電と再生可能エネルギーの普及に取り組んでいる保坂さんに、お話を伺いました。

電力の巨大消費地・東京で原発を問う
――今度の東京都知事選では、脱原発政策が注目を集めています。与党などからは「エネルギー問題は国策だから、地方選挙で問うべきではない」という声がさかんに聞こえてきますが、保坂さんは、原発政策が都知事選の争点になったことについてどのように考えますか?

 2011年に「脱原発」を掲げて、世田谷区長選挙に出馬したときも、「基礎自治体の政策と関係ないんじゃないの?」という疑問が、メディアからも支持してくれる人たちからも投げかけられました。
 区長選の投開票は2011年の4月24日。まさに選挙期間中、福島第一原発事故のシビアな状況が連日報道されていたさなかですら、そうでしたから。今は事故から3年近くが経過しているので、有権者からも「いまさら原発政策と都知事選が結びつくの?」という声が出てくるのかもしれませんが、選挙で脱原発が争点になること自体、むしろ遅すぎたくらいだと思います。
 あれだけの重大事故が起きたにもかかわらず、その間の衆議院選挙でも参議院選挙でも、原発政策そのものが議論しにくい状態でしたよね。脱原発勢力がひとつにまとまるわけではなく、民主党も「段階的に脱原発をめざす」と訴えていたけれど、何か曖昧な感じだった。自民党は「脱原発なんてナンセンスだ」と焦点化することを避けました。
 そういう意味では、今回の都知事選は、2011年3月11日の原発事故以来、初めて大きな選挙でエネルギー政策をめぐる論戦が繰り広げられる機会になるかもしれない。都民のレベルで議論ができるという点では、脱原発が争点になるのは大変いいことだと思います。
 福島第一原発事故は収束どころか、いまなお現在進行中です。なのに、経済産業省は昨年12月に策定したエネルギー基本計画案の中で、原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けました。そして、その原案をもとに閣議決定を行い、停止している原発をどんどん再稼働させていこうとしていた。ところが都知事選で脱原発を公約にかかげる候補者が出てきて注目を集めると、閣議決定を先延ばしにした。

――政権与党の自民党側は、またしても原発是非論の国民的議論をぼやかそうとしている――。

 そう。ただ、現実はぼやかせないんですよ。今は福島第一原発事故はなかったかのように扱われていますね。だけど現実には、15万人近くの方が今も自宅を離れて避難していて、世田谷区にも400人前後の方が住んでいます。福島県内にとどまっている方たちだってストレスがあるので、夏休み、冬休み、春休みに、福島の親子を世田谷区に招く「リフレッシュインin世田谷」という企画をボランティアの人たちがやっているんです。そういう身近なところで声を聞くと、福島県がまるごと日本の地図から切り離されているような感じさえします。
 いまだ福島第一原発事故の本当の原因だってわかっていないし、原子炉の内部がどうなっているのかも把握できていません。除染をするといっても、消しゴムで消すようにはいかない。オリンピック招致活動での「汚染水はコントロール下にある」という首相の発言がありましたが、コントロールどころではなく、汚染水の処理は先が見えない。これだけの犠牲を出しながら、国内で最大の電力消費地である東京が、原発問題に無関係であるはずがないんです。

エネルギー革命の流れを止めてはいけない
――都知事選で原発が争点になることへの批判のなかには、「東京は原発の立地自治体でもないのに何ができるんだ」という意見があります。ところが世田谷区は一地方自治体でありながら、いろいろなエネルギー政策を実現していますね。そうした試みについてお聞かせください。

 世田谷区は2012年3月から、区の施設で使う電気をPPS(特定規模電力事業者)から購入しています。この選択によって、東京電力と契約するよりも経費削減が実現できる、脱原発を望む人もそうではない人もうなずく仕組みですよね。2013年度は、区内の施設の大口使用電力の7割はPPSと契約して、約6500万円の削減効果がありました。そういった試みは、小さな地方自治体でもできるわけですね。
 太陽光発電設備の普及促進事業としては、住宅の屋根に太陽光発電を設置する「せたがやソーラーさんさんプラン(世田谷ヤネルギー)」や、神奈川県三浦市で太陽光発電所の建設をおこなっています。そのほかデンマークへの自然エネルギーに関する視察、集合住宅でも簡単に設置できる簡易型の太陽光発電装置の開発などにも取り組んでいます。

――区民の反応はどうですか?

 面白かったのは、去年3月に開かれた「世田谷発 電力を選べる社会へ」というシンポジウムで活発な意見が交わされたんですよ。主催したのは「新電力研究会」という、私も参加している地域の勉強会です。その勉強会は、生協、NPO、研究者、事業者などが参画していて、そこが電力供給システムについて議論するシンポジウムを開催したわけです。
 当日は約350人が来場してくれました。東京都生活協同組合連合会の都内の組合員を対象とした調査の報告もあったのですが、それによると「東京電力より価格が高くても、グリーン電力を買いたい」という人が約44%。「同じ価格なら、グリーン電力を買う」という回答を含めると、50%を超える。ということは、グリーン電力の市場の裾野は着実に広がっていて、事業が成り立つんです。
 このシンポジウムが盛況だったので、4月には「世田谷発 電力を選べる社会へ ビジネス編」というセミナーも開いています。こちらも定員を超える70社が参加しました。それもエネルギー関連のベンチャー事業者だけではなく、大手の金融、商社、シンクタンク、自治体からの参加者も目立ちました。

――ここにビジネスチャンスがある、と自ずと敏感な会社などが集まってくるんですね。

 再生可能エネルギーを利用した事業では、自治体と企業が協力しての実証実験もあちこちで始まっているんです。例えば、CO2を排出しない燃料電池車(※)がいよいよ来年から市販されますが、その燃料電池車に水素を充填する「ソーラー水素ステーション」の実験を、環境省の委託で埼玉県とホンダが共同でおこなっています。私は埼玉県庁を訪れて、現場を見てきました。

水素と酸素を化学反応させて発電する燃料電池を動力源とする自動車。化石燃料を使用せずCO2を排出しないため、環境負荷が低い。複数の自動車メーカーが2015年に市販を開始すると発表している。搭載する燃料電池の小型化や発電エネルギーの蓄電、エネルギー効率化など、研究開発が飛躍的に進んでいる。

 埼玉県はすでに燃料電池車を公用車として使用しています。また、可搬式の充電器も開発されていて、一般家庭の6日分くらいの電力がまかなえる。これも量産されれば、一般家庭でも太陽光発電によって自宅で水素がつくれて、燃料電池車に充填できるようになるのも夢ではないんですね。
 また川崎市では、市内の石油プラントでできる廃水素を資源化するプロジェクトを企業と一緒に進めています。そういうプランは今、自治体でもどんどん動いているんです。だから既得権益に縛られている政治家や経済界のトップらが「原発がないと国富が失われる」と言おうと、流れは止まらない。自治体も、消費者も、ビジネスの世界でも、エネルギー革命の引き金は、もうすでに引かれているんですよ。そこで行政が本気を出すと、一気にスピードアップしますよ。

――東京で脱原発を主張する知事が誕生したら、何が起こるのでしょうか?

 国でも都でも大きな壁になっているのは、電力自由化のイニシアティブの問題なんです。民主党政権のときに、私もずいぶん働きかけたのですが、経産省も電力自由化の必要性は認めるけれど、なかなか具体的には動かない。電力自由化は国の法律で決まっているのに、じゃあどういうシステムをつくるかということは、官僚と電力会社と大手企業が相談してやっているんです。
 だけど、生活に密着した電力改革は、本来は国の政策ではないわけですね。「エネルギー問題は国政の課題で、地方自治体のやることではない」といわれてきましたが、各自治体こそがそれぞれの現場から変えていくべきなんです。東京だって、知事がイニシアティブをとって都が出資する電力会社をつくってもいい。そこで電力先物市場ができれば、産業も新たに生まれるし、イノベーションのチャンスは無限に広がりますよ。

東京から新たな社会モデルをつくる
――2020年に東京オリンピックが開催されますが、オリンピックでは膨大な電力が消費されますね。先頃、森元首相が「原発即ゼロなら、電気が足りなくなるので、五輪を返上しなくてはならない」と後ろ向きな発言をされていましたが、五輪こそ、東京のエネルギーにしてもライフスタイルにしても、新しい取り組みを世界にアピールできるチャンスではないかと思います。

 東京オリンピックには、まず湾岸の土地の再利用という目的がありますね。オリンピックが終わったら、跡地を住宅や商業施設にして経済の活性化をはかるという。しかし、それが風力や太陽を活かした、自然と共生する設計思想による都市モデルになるかどうかは、はなはだ心もとないところがあるような気がします。
 世界の街づくりと比べると、日本には都市再生の哲学がないんですね。だって、いまだに大量の資金を投下して大規模再開発で、高層ビルを建てて儲けるという発想しかないでしょう。
 であれば、オリンピックまで6年かけて持続可能なエネルギーを導入する目標を決める。「2020年にはこれだけエネルギー転換をはかるよ」と。そしてオリンピック施設のエネルギー効率を高めて、その後の街づくりも計画することができればいいですね。
 都知事選のなかでもうひとつ注目してほしいのは、人口減少の問題です。2009年から人口が減少して、今年からオリンピック開催予定の2020年までに日本全体で330万人減るといわれています。ところが、この間も東京の人口は増えるんです。
 これをどう読み解くかというと、東京の独り勝ちで、地方は持続できなくなる。6年の間には医療や福祉などの機能が瓦解して自治体消滅というところも出てくるかもしれません。だけど、ならば東京は安泰かといったら、東京の消費を支えてきたのは、地方から供給される食糧などの産物です。その地方が疲弊して、東京ばかりが化け物のように肥大化していったときに、どうして「豊か」だと言えるのか。そこで「絆」なんてものは、成立しようがありません。
 都知事には強大な権限があるので、地方とのつながりも視野に入れて、社会モデルをつくり替えてほしいですね。自治体から国へのボトムアップ型で、東京から希望ある社会像をつくる。それが便利な生活を享受してきた電力消費地としての、福島第一原発事故に対する償いにもなるのではないかなと思います。

取材・構成・写真/マガジン9

 最近は小泉さんも、細川さんの応援演説で燃料電池や水素ステーションの実現性について言及しているようですが、上の記事時を読むと埼玉県もかなり力を入れているようですね。自宅で水素・・なんて・・・そうなればこれまでと全く違うエネルギー事情になりそうですね~。
ちなみに、我社の技術担当者はずっと前から水素・水素と言っていて岩谷の株を買え、と言っていますがどうなんでしょうか?


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ラビット黒

Author:ラビット黒
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